エレメンタルチャットが新しくなりました
令和3年4月05日
注:今週から、Dev Pulseでは新しい試みをしており、長い記事よりもより小さな記事を定期的に発行することにしようと考えています。これにより、記事がより新鮮で、より読者にとっても消化しやすくなると考えています。
概要
今週、すべてのホロポートにアップデートを行いました。最も分かりやすい変更点は、デモアプリであるElemental ChatのUIです。ユーザーの名前の横に「アイデンティティアイコン」が表示されるようになりました。これらの自動生成されたアバターは、Holochainネットワーク上の実際のエージェントIDに基づいており、偽造することはできません。ユーザー名は単なるラベルであり、好きなように設定することができますから、これは重要なことです。友人と話しているときに、突然その友人のIDが少し違って見えたら、誰かがその友人になりすまそうとしている可能性があります。
このように、暗号で保護されたデータは、中央機関を必要とせずに真正性とアカウンタビリティを確保するための良い第一歩となります。
他にもElemental Chatにはいくつかの変更点があります。まずネットワーク統計は、より正確に計算されています(右上のグラフアイコンをクリックすると表示されます)。また、チャット(シグナルを使用)のリアルタイム性能がより効率的になるように調整されています。
ホロポートのOSには、新しいバージョンのHolochain RSMが採用されています。これが重要なのは、次のインフラのマイルストーンであるホスティングされたhAppsに向けての準備の1つであるからです。これまでのスピードアップは控えめなものでしたが、近い将来、他のアップデートによってHoloChainが大幅に高速化され、アプリごとに数千人のユーザーをサポートできるようになると期待しています。
これらの将来のアップデートには以下のものが含まれます。
- 世界で最も普及しているデータベースエンジンであるSQLiteをベースにした新しいストレージエンジンへの切り替えが現在作業に入っています。昨年、私たちはLMDBに切り替えると言っていましたが、それはこれまでで最高のデータベースエンジンであったからです。そして、比較テスト(ハッシュテーブル検索)では、確かにSQLiteをLMDBの方が上回っています。しかし、私たちが必要としているのは、単なるハッシュテーブル検索ではなく、任意のフィルタパラメータを使った高速なクエリです。これは、近隣のシャーディングをうまく利用したい場合に特に重要です。また、シャーディングはスケーリングを可能にし、hAppネットワークは従来のブロックチェーンが合理的に処理できる範囲をはるかに超えて成長することができます。
- ホロポートやHolochainのユーザーが家庭のファイアウォールを突破するためのプロキシサーバーは、現在、大幅に書き換えられている最中です。今のところベンチマークでは、最低でもスループットが5倍になると予測されています。これが導入されれば、DHTのゴシップや検証(バリデーション)のパフォーマンスを向上させる必要がある場所が明確になります。
開発者にとっては、これらのことは、Holoのホスティングが着実に進んでいることを意味します。Holo Web SDKも公開に向けて準備を進めており、実際のホロポート上のホスティングネットワークで、自動化されたhAppテストサービスを提供する可能性も検討しています。
hApp開発者のための特別な注意事項
Holochainレポジトリのdevelop
ブランチは、ここ1、2ヶ月の間にmain
ブランチよりもかなり進化し、hc
dev toolやhApp bundlesなどの機能をもたらしました。そのため、現在は https://nightly.holochain.loveを使用して開発シェルをインストールまたは開発シェルに入ることを推奨しています。また、将来的にはインストール用のURLを変更するかもしれませんが、インストールガイドは常に最新のものを提供していますので、ご安心ください。
(写真提供者:Paweł Czerwiński on Unsplash)